【徳島新聞】高校防災クラブ活動盛ん 避難所用具開発や炊き出し訓練

徳島県の高校での防災クラブ活動についての徳島新聞社の記事です。


高校防災クラブ活動盛ん 避難所用具開発や炊き出し訓練 – 徳島新聞社

 地域住民との合同訓練、避難マップ作製、炊き出し体験…。東日本大震災を受け、地域の防災活動に取り組む高校生を育てようと、県立5高校に設けられた「防災クラブ」の活動が盛んだ。県教委は生徒たちの防災意識の高まりに手応えを感じており、新年度も関連予算を組み、さらに5校増やす方針。

 県教委は、東日本大震災の被災地の高校生が、支援物資の運搬や高齢者の世話などで活躍したことに着目。県内の高校生を災害時の即戦力とするため、活動費480万円で沿岸市町にある徳島商業と富岡西、鳴門、小松島、海部の5校に防災クラブを立ち上げた。

 各校の防災クラブは昨年9月以降、生徒会や学級代表、運動部やボランティア部などの生徒を中心に活動。南海地震時の指定避難所になる海部は、地域住民を巻き込んだ大規模な避難訓練を実施。地元婦人会と300人分の炊き出しを体験し、三角巾を使った止血法を学ぶなど実践的な訓練に取り組んだ。

 鳴門や小松島などの防災クラブも地元の幼稚園や保育園、地域住民らとの合同訓練を開催。富岡西は地域の避難マップを作り、小松島は地元民生委員らと高齢者や障害者の安否確認訓練も行った。

 徳島市の避難所に指定されている徳島商業は、災害時に生徒や住民ら2千人近くが集まる可能性があることから、避難所機能の充実を検討。防災クラブの生徒がアイデアを出し合い、企業の協力を得て、簡単に組み立てられる段ボール製の簡易トイレや簡易授乳室などを開発した。

 活動を通して生徒の防災意識は高まっており、徳島商業防災クラブの生徒たちは「地域住民が避難する際、体力のある高校生が率先して子どもや高齢者を支援したい」と話している。

 県教委は、防災クラブの活動が高校と地域の連携を深めるきっかけとなり、地域防災の担い手の育成につながることを期待。新年度は県西部や県央部の高校などに防災クラブを設ける考えだ。

高校生による実践的な防災に対する取り組み、全国各地で広まることを期待しています。